リーズ大学

留学時代に誰と過ごすか

フランス人の青年との出会い

留学生向けの説明会が終わり、一人の青年が声をかけてきてくれた。

”せっかくだから一緒にパブに行こう”

すごく嬉しかったし、すぐに行きたいと伝えた。

彼は最初にできた友達であったが、

次第に会う機会がなくなってしまった。

というより、私の方からあまり会わないようにしてしまったのだ。

この理由については後で触れたいと思う。

さて、

彼に飲みに誘われたはいいものの、

携帯をもっていなかったため、16時に大学の中にあるパブで落ち合う約束をした。

そう、このリーズ大学の中にはパブがある。

しかも、

1個だけではないし、何ならクラブまである。

普通の日本の大学であれば、

生協が入っている建物には、小さな本屋や食堂が入っていることが普通だが、

その中に居酒屋やクラブまで一緒にくっつけているイメージだろうか。

The Unionの地下にあるThe Old Bar

リーズ大学の生協にはいくつものパブや食堂があるが、

地下一階にある、この

The Old Bar

はランチを食べるもよし、

講義の合間にビールを一杯飲むのもよし(昼間も絶賛営業している)

夜にパブクイズをしに来るのも良い。

手振れしているが、内装はこんな感じ

手振れしてる写真しか手ものに残っていないのだが、

床はカーペットが敷き詰められており、

木製のカウンターやテーブル、椅子がレトロな雰囲気を醸しだす。

昼間に合ったフランス人とこのThe Old Barで落ち合い、

まだ外は明るい夕方から飲み始める罪悪感と、

本場のパブで飲むビールに期待を寄せて、

早速一杯頼んでみる。

1 Pintのでかさ

今では全く何も思わなくなったが、頼んだビールを見たときの感想は

Guinessのパーフェクトパイント

デカすぎ

いやいや、これ飲みすぎだって!

と驚いた。

何せ今まで部活の飲み会で出てくるビールなんて、

ちょっとしたグラスに入ってるだけだったのに、

この pint (パイント)グラスは

568ml

良くこんなに飲めるなと思った。

実際飲み始めてみると、すぐにお腹がいっぱいになった。

イギリス人が

”I`ve had a liquid lunch.”

って言うときは、

”ビール飲んでお腹いっぱいになった”

という意味だ。

ただ、残念ながら、もうこの大きさを見ても特に驚くことはなくなってしまったし、

大量に食べることができるようになって、1年で体重が10kg近く増量することになる。

気さくで優しいフランス人

待ち合わせたフランス人はもう一人フランス人の男の子を連れてきて、

3人でビールを飲んだ。

お腹苦しいとか言いながら、

お互いまだ英語を勉強している最中ということもあって、

留学生同士の英会話はレベルは高くないものの、

異国の人とコミュニケーションをとるという欲求をとても満たしてくれた。

それにこんなに沢山のビールを飲めば酔いも回るし、

箸が転がるだけでも面白い。

話ははずみ、次回また飲み会をすることにし、

連絡先を交換した。

自分は特にそうなのだが、

日本人は中々自分から声をかけることが苦手な人が多い気がする。

飲みに誘うと変な人と思われないか、心配になってしまうのだ。

だが、このフランス人の男の子は、自分に声をかけてくれて、

自分は素直に嬉しかった。

言葉も全く通じなくて、知り合いも誰一人としていない環境というのは、

とても孤独だし、辛いものだ。

どれだけ夢見てきた留学生活だとしても、

孤独という負の感情は少しずつ人間の心を虫食む。

自分の場合、誰も知り合いのいない私立の中学校に入学した時もそうだし、

全く誰も知らない熊本大学に入学した時もそうだったが、

とても孤独だった。

既にそういう経験をしていたからこそ、

そういう環境に自分を置くことに恐怖心は全くない。

ただ、それと孤独を感じるということは全くの別問題なのだ。

孤独を感じている時に誰かとコミュニケーションを取れることは、

すごく嬉しい。

それは、生きる喜びと言っても過言ではない。

留学期間中、その後幾度となく孤独を経験する機会があった。

留学は、

”まさに自分の孤独感とどうやって付き合っていくかを学ぶ機会”

なのかもしれない。

誰かと話したい、誰かと友達になりたいと願っていたところで、

彼は自分に声をかけてくれたのだ。

これは彼自身の性格もあると思うが、フランス人の特徴もある気がする。

そして、お互いに異国からきてこれから同じ大学で勉強をするという、

仲間意識のようなものも感じることができて嬉しかった。

その日は一杯のビールだけで解散し、

別の日に改めて飲み会を再度開催することにした。

”イギリスでフランス語を勉強できるね”

そのフランス人とはその後何回か飲み会を一緒にした。

毎回楽しかったし、

彼が連れてくる友達も皆気さくで、人間的にも魅力にあふれていた。

そして、回数を重ねるごとに、どんどんとフランス人が集まってきた。

気が付いたら、

フランス人5人以上、

日本人は自分1人だけ

というちょっと奇妙な構成になっていた。

フランス人の集まりに日本人の自分を招いてくれることは、

とても光栄だったし、とても楽しかった。

みんないい人だったし、仲間がいると思えるだけでも心が満たされた。

ただ唯一、すごく気になることがあった。

そう、途中から会話が全てフランス語になるのだ。

フランス人同士が集まれば、フランス語で話すのはごく自然なことだ。

これはどの人種でもそうで、日本人同士が集まれば、日本語で話すし、

ブラジル人同士が集まれば、ブラジル語で話す。

唯一の例外はワーホリ時代に出会った一人の日本人で、

彼とは2人の時でも英語で話していたが、

それはかなりのレアケースだと思う。

フランス人のコミュニティーにいて、フランス語で会話が進むことはしょうがないと思う。

そして、そこにいた一人のフランス人が冗談で自分に向かってこう言った。

”イギリスでフランス語が勉強できるね!”

自分はハッと目が覚めた気分になった。

自分はあんなに英語が勉強したくてしたくて、

ようやく手に入れた貴重な1年じゃないか。

フランス語ばかり聞いていて、英語が上手になれるとは到底思えない。

その日から、自分は彼らのコミュニティーに参加するのを辞めてしまった。

一言断っておきたいのだが、自分はフランス人が嫌いなのでは決してない。

熊本にいた時からフランス人の友達がいて、

フランスの文化と聞くとおしゃれだな、いいなって思う。

ただ、

フランス人やその文化が好きなのと、

英語の勉強をする時間を失ってまで今フランス語の勉強をするということは全く別問題。

たった1年という限りない時間の中で、

フランス語を学ぶことに自分は価値を見出せなかった。

留学の意義とは

留学の一番の魅力は、

自分で選択する自由を手に入れることができる点だと思う。

留学の意義は何も英語を学ぶことだけではない。

英語を勉強したいからと言って、

他の文化との交流を避ければ、異文化を知る貴重な機会を失うことになる。

そして、

他人を避けようとすると、

自分も避けられて、

いつしか孤独の道を歩むこととなる。

結局は自分でどうするか選択さえすれば、結果は何であれよいと思う。

孤独感を安心感に変えるために、

同じ日本人と一緒にいることが悪いことではない。

仲間意識で結ばれた日本人同士は、

帰国後も交流があったり、良い関係を続けることができるかもしれない。

特に交換留学は多くの場合半年や1年で終わってしまう、長いようで短い期間。

色々と試してみて、失敗しても、日本に帰国したら遠い国の出来事になってしまう。

自分が何より大切にした信念は、

とにかく一度は何事も挑戦してみよう

だ。

明らかに恥ずかしいことだったり、失敗することが目に見えていても、

今までやったことがないことであれば、一度は試してみる。

こんな貴重な機会はそうそうは訪れないのだから、

悔いが残らないようにする。

このおかげで、たくさんの失敗も今までしてきたが、

同時に得難い経験もたくさん得ることができた。

中でも一番自分の財産になっているのは、

自分のフラットメイト達と過ごした日々の思いでだ。

まとめ

  • イギリスのビールグラスは規格外
  • 留学は孤独と向き合う時間
  • 英語を学ぶか、国際交流を楽しむかは人次第
  • 何事も一度は経験した方がいいと思う
ABOUT ME
あき
あき
ハリーポッターの世界にあこがれた高校生が、大学時代と初期研修後にイギリスに留学。10年以上どうしたら英語が上達できるか考え続け、合計約3年間イギリスに滞在。ようやく自分なりの回答を見つけ、現在は次の海外進出に向けて準備中。美容皮膚科医。イギリス留学、英語について発信するのが何よりの楽しみ。