英語と留学

冠詞の勉強

以前の記事で冠詞がとても大切だという記事を書いた。

今回は冠詞の勉強方法について解説したい。

なぜその冠詞が使われているかが分かるようになる。

これから連載する記事では、

”文章に出てくる冠詞が、なぜそこで使われているのかが分かるようになる”

というのを目標とする。

あなたが今ペンギンの位置にいて、これから冠詞を勉強しようとしている。

この場合、

このブログでなぜその冠詞が使われているのかが分かるレベルまでは到達できると思う。(矢印①)

この目標を達成できれば、

色々な生きた英文に触れるほど、冠詞の使い方を身につけられる。

矢印②は、留学したり、大量の文章に触れることで冠詞に慣れる作業になる。

これは

読者の皆さんがワーホリや留学で現地の生活を楽しみながら

少しずつ行うトレーニングが該当する。

さて、なぜ矢印①の作業が必要なのかと言うと、

意味が分からない状態で大量の英語に触れたところで、

結局冠詞はできるようにならないからだ。

これは自分自身の経験がもととなっている。

たとえイギリスに2年以上滞在して毎日大量の英語に触れていたとしても、

「なぜその冠詞がこの文章のここで使われているのか」

ということが分からないままだった。

結局頑張って英語に触れても冠詞が身に付かなかったなと思った。

そんな中、

この矢印①の作業に非常に有用だと思ったのが、

日本語で書かれた冠詞に関する本だった。

冠詞を解説した日本語の本を何冊も読んでみて、

「あぁ、きっとこういうことなんだ」と分かってからは、

ネイティブがなぜその冠詞をチョイスしたのか納得できるようになった。

そして、

英語で英文を理解するということが、より一層楽になったと感じるようになった。

それに対して、英語で書かれた本を色々と調べたり、

語学学校のイギリス人の先生に色々と聞いて勉強しようと頑張ってはみたものの、

心の底から「分かった!!!」という感動は得られなかった。

英語についての話だから、英語で書かれた教科書の方が詳しく書いてある

と思っていたのだが、そうではなかった。

もしかしたら、

英語のネイティブにとって冠詞を使う感覚というのは当たり前すぎるのかもしれない。

ちょうど

我々日本人が瞬時に “てにをは” を使い分けるのに、

説明するとなるとなかなか難しいと感じるのと同じかもしれない。

ちなみにだが、

私は英語の専門家では全くないので、

このブログで提示する理論が言語学的に正しいかは全く分からない。

ただ、このブログで提示する理論は、いくつかの冠詞解説本で提示されていた考え方である。

そして、自分にとっても納得のいくものだったので、決して無駄な内容ではないと考えている。

何より、自分で英語の文章を書いたりする際に使える。

私は実践的な内容であることに一番価値を置いているので、

多少なりとも皆さんに有益な情報になるのではないかと思う。

冠詞が分かるようになるための、タテの勉強とヨコの勉強

冠詞を勉強する際に是非みなさんに意識して欲しいことがある。

それは、

冠詞の勉強には、”タテの勉強”と”ヨコの勉強”

という2つの勉強の仕方があるということ。

そして、

冠詞が分かるようになるには、この2つのどちらとも必要であるということだ。

タテの勉強は、1つの事柄についての知識を深めることで、

ヨコの勉強は、いくつかの事柄での違いを知ることだ。

これは

医学生が医学を学び、

実際に医師として患者を診察する

までの成長のプロセスに似ている。

例えば、自分が医学生の頃はタテの勉強が中心であった。

どういうことかと言うと、

タテの勉強では、病気ごとの知識を深める作業を繰り返したのだ。

医学部に入学していても、

医学の事についてはド素人の状態からスタートするので、

一般的な病気について何も知らない状態からスタートする。

そのため、例えば心臓発作(心筋梗塞)について勉強した場合、

  • どんな人がなりやすいか(メタボ体型、高齢者)
  • どんな症状が出るか(胸の痛み、吐き気、冷や汗)
  • どんな検査をするか(心電図、採血、カテーテル)
  • どんな治療をするか(薬、カテーテル、手術)

など、まだ実際に見たこともない、

心臓発作という病気についてひたすら勉強して期末試験を受ける。

別の例として、

帯状疱疹(たいじょうほうしん)という、

胸の皮膚に水ぶくれとか、さぶたができて、すごく痛い病気がある。

当時医学部2年生の自分がこれについて勉強した際も、

まだ実際には見たこともない病気ではあったが、

  • 何が原因か(ウイルス)
  • どんな症状がでるか(水ぶくれ、かさぶた)
  • 治療方法(抗ウイルス薬)

をひたすら覚えた。

試験前に一生懸命勉強したのに、結局試験に落ちたのは今でも良い思い出だ。

このように、1つの事柄について、深く勉強することを、自分はタテの勉強と呼んでいる。

それとは別で、

ヨコの勉強とは何かというと、今まで学んできた病気(心臓発作や帯状疱疹)の違いを学ぶための勉強だ。

医学生の頃に心臓発作や帯状疱疹を含め色々な病気について勉強していても、

研修医になったばかりの段階では、患者に適切な治療方針を提供できないことが多い。

というのも、

タテの勉強ばかりしていて、ヨコの勉強をしていなかったので

患者を診察することができないのだ。

例えば、

研修医1日目で外来の診察をする場合、

(自分の研修病院のプログラムでは、研修初日から外来担当だった)、

「胸が痛いです」という症状がある患者を診察しても、

正直何の病気なのか判断できない。

胸が痛くなる病気というのは無数にあり、

先ほど出てきた心臓発作や帯状疱疹も胸が痛くなる病気の代表例だ。

胸が痛い人が心臓発作なのか、帯状疱疹なのか、それとも全く別の病気なのか。

これを判断するためには、

これらの病気のどういうところが似ていて、

どういう点が違うのかを知っている必要がある。

心臓発作になってもおかしくなさそうなくらいの

メタボ体型の人が胸を痛がっていたとする。

「あなたは心臓発作ではなくて、帯状疱疹ですね」

というためにはどういう点を見ればよいのかを勉強するのである。

医学の世界では、

本当に患者がかかっている病気を、他の病気と区別する

という考え方(鑑別)をする。

胸が痛いという訴えで診察をしていくと、

本当は 実らない恋に胸を痛めていたことが原因の”恋わずらい” だった

ということも実際にはあり得る。

命に係わる心臓発作と

青春の1ページである恋わずらいの違い

をはっきりさせるためにも、

“ヨコの勉強”はとても大切である。

冠詞の勉強においてはどうなのかというと、

a/anやthe、そしてゼロ冠詞それぞれの、

意味や使い方を深く知るタテの勉強と、

ある状況下ではどの冠詞を選ぶのが一番良いかという、

区別をするためのヨコの勉強が必要である。

a/anとtheは今まで見たことがある人が多いと思うが、

ゼロ冠詞は聞いたことがない人もいるかもしれない。

中には “ゼロ冠詞” と聞いてアレルギー症状を引き起こす人もいるかもしれない。

ただ、今後投稿していく記事を読んでもらえば、

きっと

「なんだ、たったそれだけか」

と思ってもらえるはず。

気長に構えて頂ければと思う。

a、the、ゼロ冠詞の3つの大原則をそれぞれ1つずつ理解する。
(タテの勉強)

まず、

冠詞には a/an、the、ゼロ冠詞の3つがあり、

それぞれの意味を知ることからスタートする。

一番大切なのは、無数にあるルールを全て覚えることではなく、

それぞれの冠詞の大原則となる意味を基本にして、

色々なルールを知ることである。

実は勉強していくうちに、

例えば a/anの使い方を見ても、ものすごい種類があることに気が付く。

その数はかなり多いし、いくつかの使い方の間には関係性がなさそうに見えてしまう。

例を挙げると、

  • an apple のように、一つという意味のa/an
  • a fear of heights のように、数えられない名詞について種類を意味するa/an
  • a democracy のように、国を表現する時に使われるa/an
  • an angry Aki のように、人の感情を表現する時に使われるa/an
  • a full moon のように、月の状態を表す時に使われるa/an
  • a Mr/Ms Turner のように、Mr/Ms の前について、~って名前の人という意味のa/an

などがあり、

日本語の文法書を開くと、

このようにa/anにいくつもの意味があるように見えてしまう。

ひどい場合には、

これらのa/anが全く別の単語のように感じてしまうこともあった。

そして勉強していくうちに、

それぞれのルールを全部覚えないと英語ができないのかと、

何回か諦めの境地にたどり着いたことがあった。

だが、

「真実はいつもひとつ!」

という訳ではないが、

本当に大切なこと(大原則となる意味)は1つしかない。

なので、a、the、ゼロ冠詞の大原則となる意味はそれぞれ1つしかなく、

全ての用法は大原則の意味から派生しただけと考えると、

そもそも冠詞に関して覚えないといけないのは、

たった3つに絞ることができる。

逆の言い方をすると、

3つのそれぞれの大原則となる意味さえしっかりと分かれば、

数ある用法の使い方はおのずと理解できるはずという仮説だ。

自分の場合、a/anの大原則となる意味を知ったおかげで、

  • an apple のように、一つという意味のa/an
  • a fear of heights のように、数えられない名詞について種類を意味するa/an
  • a democracy のように、国を表す時に使われるa/an
  • an angry Aki のように、人の感情を表現する時に使われるa/an
  • a full moon のように、月の状態を表す時に使われるa/an
  • a Mr/Ms Turner のように、Mr/Ms の前について、~って名前の人という意味のa/an

など、これらの用法も含めて、a/anの意味や使われる理由が良く分かったし、

基本的には

全てのa/anが同じ意味と理屈で使われているんだ

と考えるようになった。

例えば、この写真をみて欲しい

これを見ただけだと何か分からないと思う。

ではこれはどうだろう?

なにやら足のようなものがみえる。

続いてこれ

かなり長細い。

ではこれはどうだろうか

ここまで来たらもうお分かりだろう

正解は、私の家に6年位前からいるめりたんだ。

色々な姿をみているように見えても、

実は見る方向を変えているだけで、めりたんを撮影しているだけだ。

1枚目と2枚目の写真だけ見ると、同じものだと認識することは難しいかもしれない。

ただ、

最初からめりたん本体の姿形が分かっていて、

これらの写真はめりたんの一部を撮影したものだと分かっていたらどうだろう。

これらのどの写真も

実は同じめりたんを違う角度から見ているだけだ

と気が付けるのではないだろうか。

ちょっと近すぎ

冠詞もこれと同じで、

  • 大原則となる意味(めりたん)を、
  • 色々な方向から眺めることで、
  • 色々な用法があるように見える(色々な方向から見た写真)が、
  • 実は同じ1つのもの(めりたん)を見ているだけ

ではないかと言うのが、私の自論だ。

この、見る視点が違うだけという考え方は、他の冠詞、theやゼロ冠詞でも同じ。

大原則となる意味を1つ理解できれば、色々な冠詞の使われ方を理解することができる。

冠詞のタテの勉強とは、それぞれの冠詞の大原則の意味を1つ理解すること。

そして、それを踏まえたうえで様々な用法に触れて、徐々に慣れていくことだ。

a、the、ゼロ冠詞の違いを学ぶ。
(ヨコの勉強)

さて、冠詞には a/an、the、ゼロ冠詞の3つがある。

そして、

それぞれの意味を理解することができたら、

次に待っているのが冠詞のヨコの勉強だ。

医学部で学んだ病気の知識を、実際の診療で使えるようにするためには、

病気ごとの違いを知る必要がある。

これと同じで、

a/an、the、ゼロ冠詞の使われ方の違いを知るには、

それぞれの違いを知る必要がある。

ただ、

違いを知るためのヨコの勉強も、

タテの勉強で冠詞の大原則となる意味を分かっていないと理解できない。

例えば、

自分が語学学校のイギリス人の先生に冠詞について質問した時、

ペンの話をされた。

目の前に5本位のペンを並べられて、

「”Could you pass me a pen?” と言われたら、

どのペンを渡す?

じゃあ、

“Could you pass me the red pen?”

と言われたら

どのペンを相手に渡す?

その違いが a と theの違いだよ!」

と言われた。

この時、質問された生徒は全員この2つの文の違いを理解できた。

そして、

「これくらいの事はもう知ってるし、それでも冠詞が分からないから質問しているのに!」

と正直皆思った。

また別のイギリス人の先生からは、

「相手が知らないものを話す時は a を使って、

相手も既に知っているものを話す場合は the を使うよ」

と説明を受けた。

その直後に

「ちなみにtheには他にも使い方があるんだ。

相手が行ったことがなくて、初めて話題に出てくる映画館にもtheを付けるよ。

そして、総称のtheという使い方もあるから」

と言われた。

あぁ、theにはいろんな意味があるのだと混乱した。

こういった疑問を解決するには、

まずはタテの勉強でそれぞれの冠詞をしっかりと勉強する必要がある。

タテの勉強でそれぞれの冠詞の意味の違いを理解していれば、

ヨコの勉強でそれぞれの冠詞の違いも理解しやすくなる。

ヨコの勉強の一番の問題は、

a/an を使うのか、theを使うのか、それともゼロ冠詞なのか

ということだと思う。

例えば、

  • the sky と a blue sky
  • the world と a fantasy world
  • a car と by car や、a hand, the hand, by hand
  • ofが使われる時にaとtheと無冠詞のどれが正解なのか。
    1. a fear of heights, the construction of the building, shortness of breathは正解だが
    2. the fear of heights, a construction of the building, the shortness of breathは間違ってる
  • an apple や apples は正しいが、an applesは間違い

など、同じ単語でも a/an、the、ゼロ冠詞が使われる場合もある。

それなのに、

ある場合はそのうちのどれか一つしか正解がないのか

など、疑問が次々に出てくる。

これらの疑問を、ただただルールとして覚えるのも良いが、

自分は全てのルールを覚えきれる自信がない。

冠詞についてヨコの勉強をすることで、これらの疑問を一つ一つ解決していくことができる。

それに、なぜそれぞれの場合でその冠詞が使われる必要があるかが分かるようになる。

  • the sky と a blue sky
  • the world と a fantasy world
  • a car と by car や、a hand, the hand, by hand
  • ofが使われる時にaとtheと無冠詞のどれが正解なのか。
    1. a fear of heights, the construction of the building, shortness of breathは正解だが
    2. the fear of heights, a construction of the building, the shortness of breathは間違ってる
  • an apple や apples は正しいが、an applesは間違い

についても、

「ルールとしてそういうものだから」

で終わらせてしまうのではなく、

なぜそうなるのかをちゃんと理由を付けて説明できるようになる。

an applesが間違いであるというのでさえも、

「複数形の名詞には a/an を付けてはいけないから」

と言われるのと、

「a/anのイメージはこれで、applesのイメージはこれだから、

この2つが一緒になっているとイメージができないから間違いだ」

と言われるのを比べると、

自分だったら後者の説明の方が納得できるし、英語の意味が分かった感じがした。

まとめ

  • 英語の文を読んで、なぜその冠詞が使われているのかが分かるのが一つの目標
  • 冠詞には a/an、the、ゼロ冠詞の3つがある
  • それぞれの冠詞の大原則となる意味を知ることが一番大切
  • 冠詞の勉強に必要なのは、タテの勉強とヨコの勉強
  • ルールだからで片づけず、ちゃんと理由をもって理解する

今後の記事で冠詞の奥深い内容について解説していきたいと思う。

ABOUT ME
あき
あき
ハリーポッターの世界にあこがれた高校生が、大学時代と初期研修後にイギリスに留学。10年以上どうしたら英語が上達できるか考え続け、合計約3年間イギリスに滞在。ようやく自分なりの回答を見つけ、現在は次の海外進出に向けて準備中。美容皮膚科医。イギリス留学、英語について発信するのが何よりの楽しみ。