英語と留学

冠詞の大原則について

前回の記事では、冠詞の勉強をする際に意識した方が良い、タテとヨコの勉強について解説した。

今回から、冠詞の具体的なイメージについて順番に解説していきたいと思う。

言葉は前から後ろに理解する。

英語の語順の大原則は、話の中心となるものから近い順番に単語が並んでいるということだ。

そして、当たり前かもしれないが、言葉は前から後ろに読むものだし、順番に理解するものだと考えている。

英文を日本語訳する時や、漢文を読む時のように、

「後ろから前に戻って、また後ろに戻ってを繰り返す」

というのはどうも不自然に感じてしまう。

例えば、

「あの可愛いペンギンが欲しい!」

という文を日本語初心者の外国人が理解しようとする時に、

「まずこの文の動詞は一番後ろにある欲しいがあって、欲しいものはその前にあるペンギン」

という感じで、後ろから前に理解しようとしていたら、不自然に感じないだろうか。

さて、話の中心となるものから近い順番に単語が並んでいるということだが、

私の場合、

英語という言語は徹底して、絶対に、ただ1つの例外もなく “私(主語)”を中心に順序通り広がる構造を持っています。

Jaybee Choi著、英語は絶対逆から読むな!、IBCパブリッシング、2018、38p

と考えると英語が少し簡単に思えるようになった。

以前は、

「日本語だと、主語や動詞の位置を前後させることができてフレキシブルなのに、

英語は、主語+動詞という型が決まっていて、融通が利かない言語だなぁ」

と思っていた。

しかし、話し手に近い順番に単語を並べるのが英語だと考えると、

非常に理にかなっていて、分かりやすい言語なのだと感じる。

例えば、

He has a guitar.

という英文では、

話の中心は “He” で、

“He”に距離的に一番近いのは、”He”が行う動作の “has”、

その次に”I”に近いのは “a guitar”

となる。

なので、”He”から近いものを順番に並べると、

“He has a guitar.”

という文が自動で完成する。

この考え方があれば、

文法書によくある S+V+Oというルールを知らなくても、

ちゃんとした英文を作ることができる。

そして、前から順番に考えるという理屈は、冠詞と名詞の関係にも言える。

名詞に冠詞を付けるのではなく、冠詞に名詞が付いている

自分の冠詞に関する考えからが変わるきっかけとなったのが、

「名詞に冠詞を付けるのではなく、冠詞に名詞が付いている」

という考え方だ。

どういうことかというと、

冠詞は名詞につくただの記号ではなくて、ちゃんと意味がある、

そして、理解する順番としては、主語⇒動詞⇒冠詞⇒名詞である、

ということだ。

この考え方はいくつかの本に説明が乗っている。

すでにあった,ちゃんとした意味をもっていたのは, “a second glass of the old Madeira” の glassではなく,その a である. そして, glassという名詞の意味は不定冠詞の a に「つけられた」ことによって決まってくる.

マーク・ピーターセン著、日本人の英語、岩波書店、2018、13p

「ぼくは文を読んでいて、I bought a … ときたら、瞬間的に、次には『カタチあるモノ』がくるぞ、と心の中で準備をする」

津守光太著、a と the の底力、プレイス、2014、22p

瞬時に見て、それが何であるかはよくわからないが、”1つ”であることはわかる。そこで、もう少し近くにいってみたら「ああ、”リンゴ”だったのか」と感じるのです。したがって、順序はanが先であり、その後にappleが続きます。

Jaybee Choi著、英語は絶対逆から読むな!、IBCパブリッシング、2018、44p

「Penが数えられる名詞だから、その直前にAをつける」のではなく、人間の認知の順番として、まずイメージのなかで一つの物体を認識するので、Aと言っておき、その後で、ペンと思えばPen、鉛筆ならば、Pencil、バックならばBagと、その名前を言います。まるで、冠詞のAが名詞で、名詞のPenやPencilは後置修飾の形容詞のようです。

上川一秋著、英語の勘 1 名詞  冠詞、単数/複数形の使い方、2018、Nippondream.com Kindle版、第4章 パターン 3 A(不定冠詞)、英語は単語ごとに考えながらはなします

以上が文献で見つけた「冠詞に名詞が付いている」という意識を説明したものだ。

そして私自身、この考え方は正しいと感じる経験をしたので紹介したい。

先日、アメリカ人の彼女と一緒に料理をしていた時に、

棚の中にある調味料を取って欲しいと頼まれた。

ただ、その時に、彼女はその調味料の名前が思い出せなかった。

その時彼女が言った言葉は、

“Can you pass me the, the, the, the………. oh I can`t remember the name!”

だった。

結局彼女が取って欲しかったのは、香辛料のナツメグの瓶だったのだが、一瞬名前を思い出せなかったようだ。

注目して欲しいのは、この時彼女が思い出せなかったのは

the nutmeg

ではなくて、

nutmeg

だったということだ。

彼女は、”Can you pass me the…”

と “the”まで言ってから、そこで詰まってしまったのだ。

意識の中では、theまで出ていて、名詞が出てこないのだ。

もし、冠詞というのが名詞に付く単なる記号であれば、

彼女は ” Can you pass me uh uh uh uh “

と、”the”を言う前の段階でストップしていたはずである。

この経験があってから、「冠詞は名詞につくもの」

ではなくて、

「冠詞の後に名詞が付く」

と理解するようになった。

ということは、それぞれの冠詞の意味を知る必要が出てくるのである。

それぞれの冠詞の意味とは?

さて、前から順番に英語を理解するためには、それぞれの冠詞の意味を知っている必要がある。

それはつまり、

前回の投稿で少し触れた、「それぞれの冠詞の大原則となる意味」を知ることと同じことだと思う。

では、それぞれの冠詞の大原則となる意味は何かというと、私の場合は以下ように考えている。

  • “a/an”は、同じ種類のものが沢山あるうちの1つで、りんかくをひと筆書きで描ける形をもっているもの。
  • “the”は、他のものから区別されたという、区切った意識が働くもの。
  • ”ゼロ冠詞”は、輪郭をひと筆書きで描けなくて、他のものから区別されたという意識が働かないもの。(つまり、a/anやtheが付かないもの。)

である。

おそらく、言葉で表現するとなんのことかよく分からないと思う。

今後、それぞれの冠詞について詳しく解説していく上で、

イメージ図を使って解説していきたいと思う。

また、それぞれの冠詞には様々な使われ方があるのだが、

それらを比較していくことで、より鮮明なイメージを伝えることができると思う。

なので、今の段階では、

  • “a/an”は、同じ種類のものが沢山あるうちの1つで、りんかくをひと筆書きで描ける形をもっているもの。
  • “the”は、他のものから区別されたという、区切った意識が働くもの。
  • ”ゼロ冠詞”は、輪郭をひと筆書きで描けなくて、他のものから区別されたという意識が働かないもの。(つまり、a/anやtheが付かないもの。)

というイメージが、最初に来て、その後に名詞がくるのだと考えてもらえばと思う。

まとめ

  • 英語は前から後ろに理解する
  • 冠詞+名詞の組み合わせも前から後ろに理解する
  • 冠詞の後に名詞がつくというイメージ
  • “a/an”は、同じ種類のものが沢山あるうちの1つで、りんかくをひと筆書きで描ける形をもっているもの。
  • “the”は、他のものから区別されたという、区切った意識が働くもの。
  • ”ゼロ冠詞”は、輪郭をひと筆書きで描けなくて、他のものから区別されたという意識が働かないもの。(つまり、a/anやtheが付かないもの。)

参考文献

言葉は前から後ろに理解する(画像をクリックすると外部ページに移ります)

名詞に冠詞を付けるのではなく、冠詞に名詞が付いている(画像をクリックすると外部ページに移ります)

次回は、”a”の大原則となる意味について解説。

ABOUT ME
あき
あき
ハリーポッターの世界にあこがれた高校生が、大学時代と初期研修後にイギリスに留学。10年以上どうしたら英語が上達できるか考え続け、合計約3年間イギリスに滞在。ようやく自分なりの回答を見つけ、現在は次の海外進出に向けて準備中。美容皮膚科医。イギリス留学、英語について発信するのが何よりの楽しみ。