英語と留学

初めて出てくる名詞に付く “THE”

以前の記事で、”the” の大原則となる意味について解説した。

“the” の一番大切な意味は、

“他のものから分けられている”

という意味だ。

”the” の使い方について参考書を開くと、本当に色々な種類がある。

今回は、”the” の持つ意味について、もう少し深く考えてみたい。

初めて出てくる名詞なのに、”the” がつく

”the” を使うのは、ある特定の名詞について話す時とされている。

We use the when we are thinking of a specific thing.

Raymond Murphy, English Grammar in Use, Forth Edition, Cambridge University Press, p144

つまりこれは、

”他のものから分けられている”

ともいえる。

学校で良く言われる

”すでに話題に出てきた名詞には “the” をつける”

というのは、

  • 既に話題にあがっているから
  • お互いに共通の認識があるから

他のものと区別することができるといえる。

ということは、他のものと区別することができれば、

”初めて出てくる名詞にも “the” が付く可能性がある”

ということだ。

その中には、以前の記事で紹介した

  • 方角
  • 左右
  • 正しいか、間違っているか

以外にも

  • the sun (この宇宙にある、数ある “sun” の中でも、我々がよく知っている太陽)
  • the sky (この宇宙にある、数ある “sky” の中でも、我々がよく知っている空)
  • the environment (この世の中に数ある “environment” の中でも、我々の周りにある環境)
  • the toilet (世界中にある “toilet” の中でも、今一番近くにあるトイレ)
  • the shop (世の中に数ある “shop” の中でも、いつも行っている店)
  • the station (世の中に数ある “station” の中でも、一番近くにある駅)

など、初めて出てくる名詞に ”the” が付いている例は山ほどある。

“the” がどういう例に付くのかに関しては書籍を参考頂きたい。

その中でも、この記事では

  • 前置詞を使う時の “the”

について解説したい。

前置詞を使う時の “the”

前置詞を使う時の “the” の例として一番わかりやすいのは、

  • the United States of America
  • the University of Leeds

だと思う。

これらは、

  • the United States of America (数あるまとまった州の集まりの中でも、アメリカと呼ばれるもの)
  • the University of Leeds (数ある大学の中でも、Leeds大学と呼ばれる大学)

と考えることができて、文章の中で初めて出てきても、必ず “the” がつく。

これらの例のように、

名詞と名詞が前置詞でつながれている場合、

”後ろに説明がくることで、前の名詞が他のものと区別される”と考えることができる。

他にも、

  • the core of an apple (芯には色々なものがあるが、その中でもリンゴの芯)
  • the city of London (世の中には色々な街があるが、その中でも、Londonという街)

など、”of” によって説明されることで、他のものから区別される例は沢山ある。

of 以外の前置詞

“of” 以外の前置詞に関しても、後ろに名詞を付けることで説明するという点は同じだ。

先日、アメリカ人彼女に、日本語について突如質問された時も、

“What is the difference between 「~している」 and 「~していた」?”

と言われた。

ここで使われる

“the difference”

というのは、この後に

“between 「~している」 and 「~していた」”

と説明が付くことで、

”他の “difference” から区別されてい”

という意識が働く。

また、別の例として、前置詞 “to” もある。

先日 私は”自由貿易” を題材に英語のエッセイを書いてみた。

そのうちの1文を例として挙げてみたい。

The concept of free trade is that there are no tariffs imposed on imported goods at the point of entry, and this accelerates the flow of new goods and services which have potential to change society.

(自由貿易の概念とは、輸入品が入国した際に関税が課されないというものであり、これは社会を変える可能性のある商品やサービスの流通を促進する。)

by Sharon O’Hammersmith, Advantages of free trade

さて、この英文には、冠詞の間違いが1つあるのだが、どこだろうか?
それは、

“have potential to change society”

である。

この “potential” という単語は、このエッセイの中で初めて出てくる単語、概念であるのだが、

ここでは、

“have the potential to change society”

が正解となる。

いつもお世話になっている、イギリス人の英語の先生に添削してもらった時に指摘され、すぐに納得した。

ここに出てくる “potential” は、”to change society” という語で説明されることにより、

“the potential to change society (社会を変える可能性)” と言う意味になる。

この “the potential” は数ある他の “potential” と区別されるため、 “the” が必要になる。

なので、” have the potential to do something” という一つのフレーズとして覚えても良いかもしれない。

ちなみに、この文章に出てくる

  • the concept of free trade
  • at the point of entry
  • the flow of goods and services

の “concept”, “point”, “flow” は全て初めて出てくる単語であるが、私は “the” をつけた。

それは、これらの名詞は全て “of ” によって他のものと区別されていると考えたからだ。

もちろんこれらの “the” の用法はイギリス人の先生の目からしても正しい “the” の用法であった。

他にも、”to” の使い方として、

  • the ability to speak Japanese
  • the way to the station

などもある。

“a” を使うか、”the” を使うか、それが問題だ。

では、”of” や “to” とかの前置詞で名詞が修飾された場合、全部に “the” をつけるかと言うと、必ずしもそうではない。

以前この記事で説明した際に、”a fear of heights” を例にした。

この “fear” という単語には “of heights” がついて説明されているのに、”the” ではなくて、”a” が使われている。

こういう例に遭遇すると、

”結局は全部暗記するしかない” と、あきらめモードになってしまう。

確かに、慣れによる暗記も必要ではあるのだが、文の意味を考えると理解できることも多い。

その考え方だが、やはりこれは “a” と “the” の大原則となる意味を考えることとなる。

“a” は、他にも同じ種類のものが沢山あることが分かっていて、そのうちの1つのものについて話すこと。

“the” は、他のものから分けられている。

であった。

これに基づいて考えてみると、例えば、

“a fear of heights” と言った場合は、

”高所恐怖症には、少し怖い程度から、死ぬほど怖いなど、色々な程度の恐怖があるが、そのうちの1つ”

という意味となる。

ここには、”いくつもあるうちの1つ” という、”a” の意味が込められているのだ。

ではここで、

先ほどでてきた例、”the city of London” の

“the” を “a” に変えてみた場合を考えてみたい。

万が一、”a city of London” と言われた場合、どのような意味になるのだろうか。

それは、”Londonと言う名の街は世の中に沢山あって、そのうちのどれか1つ” という意味となる。

“I grew up in the city of London.” であれば、

“私はロンドンという街で育った” という意味だが、

“I grew up in a city of London.” と言った場合、

“私は数あるロンドンと言う街中のどれか1つで育った” という意味になってしまう。

”ロンドンって呼ばれている街は沢山あるけど、そのうちのどれか1つだよ” と言われると、この話し手は少し変わったものの言い方をする人だなと感じる。

(実はカナダにもLondonがあるが、自分が育ったのが、イギリスのロンドンなのか、カナダのロンドンなのかを知らない人はず。。。)

別の例で、”the ability to speak Japanese” についても考えてみたい。

“the ability to speak Japanese” と言われると、

“日本語を話す能力” という意味となり、他の能力と区別された日本語を話す能力と言う意味になる。

なので、一般的に日本語を話す能力という意味が感じられる。

ところが、

“an ability to speak Japanese” と言われた場合はどうであろうか。

これは、数ある日本語を話す能力のうちの一つという意味であるから、

正直、”こんにちは” しか言えない外国人も、”an ability to speak Japanese”を持っていることになる。

もしあなたが会社の社長で、日本語が話せる社員をロンドンで探す際に採用したいのは、

きっとある程度の日本語が話せる人材であるはずだ。

結局どうしたらよいか

結局は、

  • 英語を実際に使うことで、経験を積む

ということが、冠詞を使いこなすには必要なのだが、

  • 文の意味を考えて、必要な冠詞を選ぶ

と言う考え方を持つと、

”なんでここで、the が使われるか分からない、暗記するしかない”

と絶望することはかなり少なくなると思う。

まとめ

  • 初めて出てくる単語にも “the” は普通につく
  • 前置詞で説明される名詞にも “the” が必要なこともある
  • “a” か “the” かは、文の意味を考えて選ぶ

参考文献

ABOUT ME
あき
あき
ハリーポッターの世界にあこがれた高校生が、大学時代と初期研修後にイギリスに留学。10年以上どうしたら英語が上達できるか考え続け、合計約3年間イギリスに滞在。ようやく自分なりの回答を見つけ、現在は次の海外進出に向けて準備中。美容皮膚科医。イギリス留学、英語について発信するのが何よりの楽しみ。